ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「ブレードランナー 2049」
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観た 2021/11/27
悪くはないけれど、リドリー・スコット監督「ブレードランナー」の続編でなければ、もっとよかったのでは?
つまり。
続編としてはうーん、と思っている。
あきらかに「ブレードランナー」からもってきたと思われるシーンがいくつもあるのだけど。
どれもいまいち。猥雑さが足りない。足りてない。きれいすぎる。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「メッセージ」も映像はたしかにきれいだった。
もしかしたらこの人、モブシーンが苦手なのか?
それともCG技術の発達ゆえの弊害なんだろうか。
最初のスターウォーズのエイリアンの酒場のシーンとか、よかったよね。
でも「ブレードランナー」はそうじゃないんだ。
たとえば、アパートの通路のシーンとか、エキストラが並んでますよね、という感じしか、受けなかったし。
リドリー・スコットの初期のSF映画の「エイリアン」や「ブレードランナー」に特徴的な食事シーンもなかった。
デッカード飯とか。「二つでじゅうぶんですよ」
いや、食事シーンはあるにはある。けれど実際に食べているシーンはないんだよねぇ。
雨のシーンもそうだし。
監督はそのことに自覚的なのか、最後は雪のシーンにしているが。
「ブレードランナー」とのちがいをだしたかったのかもしれないが。
手の甲に一匹、蜂がとまるシーンはよかった。
ストーリーに関係している空飛ぶ車以外、空を飛んでいない、というのもものすごく違和感だったし。
レプリカントが奴隷として働いている世界で、子どもが孤児院でこき使われているとか、矛盾してね? とか。
むしろその設定を掘り下げた方がおもしろかったかも。「ブレードランナー」の続編にはならんが。
この孤児院のシーンは原作の「攻殻機動隊」のエピソードのひとつっぽかった。
映像的には実写版「攻殻機動隊」と似たりよったりで、ステレオタイプありまくりでね……。
押井守監督「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は「ブレードランナー」の影響受けまくりだけど、それを一見して気づかせないほど消化していた。押井すごい。
やはりリドリー・スコット監督「ブレードランナー」はすごかったんだな、と痛感した。